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346. 「青春18きっぷ」の思い出

[2024.11.15]

 JR各社では、夏休み、冬休み、春休みの長期休みの期間に、「青春18きっぷ」が発売されます。これは、JR全線の普通列車・快速列車が乗り放題のきっぷです。このきっぷは、JRの前身である国鉄の時代から発売されてきたようで、長年にわたり格安で鉄道旅行を楽しみたいという旅行者に愛用されてきました。
 先日、このきっぷが大幅にリニューアルされたという報道がありました。このルール改定により、「使いにくくなった」とか、中には「改悪だ」という声もあがりました。これまでは、5回分で12050円であり、利用期間内であれば、5日間連続で使うことも、2日使った後は残り3日分をバラバラに使うとか、2回分を使い2人で同一行程を旅行することもできました。また、きっぷの券面に5回分のスタンプ押印欄が記載されており、使用開始する時に駅員さんにスタンプを押してもらう方式でした。しかしながら、リニューアル後は、自動改札が利用できるようになったという利点があるものの、連続した5日間(もしくは連続した3日間)でないと使えなくなり、1人1枚で使う方式となりました。これまでのようにバラバラの日に使うとか複数人が利用するなどの柔軟性のある使い方はできなくなってしまいました。これにより、連続した休みが取りにくい社会人などが使いにくくなったという声をよく聞きます。これまでも「青春18きっぷ」が無くなるのではとの噂があり、今回の大幅リニューアル(実質上の「改悪」)は、このきっぷの廃止の前触れではないかというネット情報もあります。

 私も学生時代や勤務医時代にはよく「青春18きっぷ」を使って旅しました。その中で、大学4年の夏休みにこのきっぷを使い北海道を旅行したのがとても思い出深いです。当時は、青森―函館間の快速「海峡」が運行されており、「青春18きっぷ」で簡単に北海道へ行けました。この列車で青函トンネルを抜けて初めて北海道の地に上陸したときはとても感動したものです。函館―札幌間は、夜行快速「ミッドナイト」があり、これで宿泊代を節約しながら移動しました。途中で別料金を払って夜行急行「利尻」に乗り、日本最北端の宗谷岬にまで到達しました。帰りは、青函トンネル内にかつてあった「竜飛海底駅」(2014年3月廃止、以後は「竜飛定点」に)で下車し、ケーブルカーで地上に上がり、青函トンネル記念館や日本で唯一の階段国道、津軽海峡冬景色の歌碑を見学しました。その後も、「青春18きっぷ」でJR線の様々な路線に乗りました。某病院勤務時代、長期の休みをいただき、このきっぷを使って北陸の様々な路線を乗りつぶしたこともありました。
 今回の「青春18きっぷ」のニュースに触れ、当時の旅の記憶が様々によみがえりました。


2010年8月28日鶴岡駅にて撮影。当時このきっぷは11500円でした。

【補足】かつては、上記の「ミッドナイト」のほかに、東京―大垣間の「ムーンライトながら」や新宿―新潟間「ムーンライトえちご」などの夜行快速が多数運行されており、「青春18きっぷ」のユーザーにかなり重宝されました。しかしながら、現在ではこのような夜行快速はほぼなくなりました。また、東北新幹線の盛岡以北や北海道新幹線、北陸新幹線の開業により、並行する在来線の大部分が第三セクターに移行されてしまい、この区間は「青春18きっぷ」では原則的に乗れなくなりました。青森―函館間でかつて運行されていた快速「海峡」は2002年でなくなり、現在「青春18きっぷ」を使い北海道へ行くには、「オプション券」を買って北海道新幹線と道南いさりび鉄道(新幹線開業に当たりJR江差線から第三セクターに移行した鉄道会社)を乗り継ぐ必要があり、かなり不便になりました。

 

 

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