347. 困った水道屋のアポなし訪問
この前の診察日、診療の合間に当院職員から「U社という業者さんがやってきました。水道のメーターの交換とのことで、15分くらい水道が止まるそうです」との報告を受けました。このような業者が来るということは事前に連絡が全くなく、まさに「寝耳に水」でした。もしかすると、メーター交換を謳って、法外な料金を請求する「ぼったくり業者」ではと感じ、その職員に「今は診療中なので対応できないし、今日はお昼休みも夕方も用事があるので、明日の昼休みに来てもらうよう言ってほしい」とお願いしました。しかしながら、その業者は「明日までにメーターの交換をしなければならないから」と引き下がらない様子だとの職員から報告があったため、私がその業者とお話しすることにしました。診察の腰を折られ、怒り心頭だった私は、その業者の人に対し「今は診察中なのですが。メーター交換があるのなら事前に連絡してほしい!」と苦言を呈しました。また「あなたはどのような業者か」訊ねたところ、「那須塩原管工事業協同組合」とか、U社の連絡先や那須塩原市上下水道部管理課の連絡先が記された書類を渡してくれました。またその業者の人は、メーター交換のために何軒かまわるそうで、そのリストを持参していました。「ぼったくり」の悪徳業者の可能性は低いと私は感じたものの、ここでメーター交換をお願いしてしまうと水道が止まってしまい、患者さんがトイレなどを使えず、不便な思いをされてしまうことになります。このため、翌々日の休診日にお願いしたい旨を伝えると、その業者は了解し、帰って行きました。なお、U社についてネットで検索したところ、那須塩原市のホームページにも紹介されている業者であることが分かりました。更に、那須塩原市上下水道部管理課に電話で問い合わせたところ、U社は那須塩原市から委託を受けた業者であり、その人は身分証を持っていることや、水道メーターの交換が8年に1回必要であり、当院のメーターがちょうど交換時期に当たることも教えてくれました。とにかくU社が「ぼったくり業者」でないことを確信し安堵したものの、アポなしで訪問されたことはとても困ると感じました。
当院では、院長である私に対するアポなし訪問を原則的にお断りしております。診療時間帯は、診察に専念したいという思いもありますし、患者さんのプライバシーの問題から、部外者の来院はできるだけ控えてほしいという思いもあります。製薬会社のMRさんがアポなしで来院された場合は、私のメールアドレスを記したメモを渡し、改めてメールでアポを取るようお伝えしております。かつて、森田療法の話をしたいと突如宇都宮在住の方が来院されてしまったことがあり、大変困りました。診察時間内であったため、私が丁重にお断りし、帰ってもらいました。
水道メーターの交換についても、事前に通知をもらっていれば、休診日に変更してもらうなどの日程調整ができたと思っています。しかしながら、アポなしで突然U社がやってきてしまったため、私は診療の流れを止めて対応せざるを得ず、正直気分を害しましたし、メーター交換のために水道が止められてしまうと、たとえ15分程度とはいえ、我々が感染対策のための手洗いができなくなるなど、当院の業務に支障をきたすことになります。更に水道停止中は患者さんがトイレなどを使えず不便な思いをされてしまいます。U社の担当者がもう少し神経質傾向のある方であれば、当院の事情を察知し、事前にメーター交換について通知するとか、休診日に日程を調整するなど、それなりの配慮はできたはずです。我が尊敬する森田療法家の先生のお言葉を拝借すると、U社は「神経質が足りない!」と言わざるをえません。