423. 県立病院赴任時の宣誓書
今から約20年前、大学医局からの命令でとある県立病院に勤務することになりました。赴任するにあたり、様々な書類を記載いたしました。その中の一つに、「宣誓書」がありました。
当時、なぜこのような宣誓書が必要なのだろう?と疑問に思いました。恥ずかしながら、その答えが分かったのはつい最近のことです。
日本国憲法第99条に、「憲法尊重擁護の義務」が定められています。
第九九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
県立病院に勤務するということは、公務員になるということです。このため、憲法で定められている通り、一公務員となる私は日本国憲法を尊重し擁護しなければならないことから、宣誓書の提出を求められたということなのです。
ところで、第99条の「憲法尊重擁護の義務」の対象者に、「国民」が含まれていない点が興味あるところです。この憲法には国民の三大義務「教育の義務(教育を受けさせる義務)」「勤労の義務」「納税の義務」が定められているのに、どうしてだろう?と思ってしまいます。しかしながら、そもそも日本国憲法は、国民が定めた「民定憲法」(注)であり、権力者が暴走して好き勝手なことをするのを抑え込むために存在するものです。第99条は、「『大臣や国会議員などの権力者は憲法を守りなさい!』と国民が命じたものだ」と解釈するのが分かりやすいと思います。私も公務員の一員になる際に上の写真の宣誓書を提出したわけですから、ましてや国務大臣や国会議員は、憲法をしっかりと守り、国民のために働いてほしい!と願っております。
(注)それに対し、明治時代に公布された「大日本帝国憲法」は、天皇が定めた「欽定憲法」です。
