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どくとるあるぱかのブログ

52. 再び森田正馬先生の生家を訪ねる(2019.05.10更新)

 森田療法の創始者、森田正馬先生の生家が、高知県香南市(こうなんし)に現存しています。西洋のフロイトに並ぶ世界的な精神医学者とされる森田先生の生家であり、精神医学上重要な建築物と言えます。それと同時に、建築学上でも文化財的な価値を有する建物だと専門家は評価しています。

 しかしながら約7年前、その建物を所有する香南市は、老朽化と耐震性不足を理由に、生家を取り壊すという話を出しました。それに対し地元有志は、この地域の偉人・森田先生の生家は保存すべきだという思いから、「森田正馬生家保存を願う会」1)(以下「願う会」)を設立しました。以後「願う会」と市と交渉を続けてきました。そして、昨年7月の「森田正馬没後80年記念事業」(9話)で予想を上回る盛況だったことから、市は生家を保存する方向性を出しました。

 なお生家についての詳細は、10話をご覧ください。

 

 前置きが長くなりましたけれども、4月14日、私は「願う会」第6回総会・学習会に出席いたしました。会場は、香南市ののいちふれあいセンター。

 まずは、高知大学医学部精神科講師・上村直人先生による学習会。このたび完成したばかりの紙芝居「森田正馬伝」が披露されました。森田正馬先生の生涯がメインで、森田先生生家の保存活動に関するストーリーも盛り込まれています。ストーリーや絵コンテ(ネーム)に当たる部分は上村先生が考案され、紙芝居の絵画は地元の高校生が作成したとのことです。どの絵も、森田療法のエッセンスがきちんと表現されており、さすが高校生と思いました。この紙芝居は今後地域のメンタルヘルス活動で使われる予定とのことです。

 続いて総会です。生家保存についての今後の課題は、早期の耐震修復。「願う会」と市と相談しながら、修復の方法などを検討していくとのこと2)

 

 総会終了後、生家の見学会があり、私も見学させていただくことにしました。「願う会」の会長さんに案内していただきました。生家見学の前に、会長さんに無理をお願いし、森田正馬先生の墓地に寄らせていただきました。森田先生の墓前で、私がこのたび医院を開業したことを報告したかったのです。

 そして、いよいよ生家へ。

 52morita

 昨年7月は外観を拝見するにとどまりましたけれども、今回は内部も見せていただきました。森田先生が幼少期にこちらでどんな生活をされていたのだろう?といろいろ頭を巡らせました。ただ、お話で伺っていた通り、かなり建物が傷んでいるようでした。早急な対策が必要に思えました。

 東京慈恵会医科大学名誉教授の中山和彦先生は、森田先生の生家について「森田療法の聖地」3)と表現されています。まさしくその通りだと思います。私も、森田療法に携わる者の一人として、この「聖地」の保存へ向けどのようなお手伝いができるだろうか、と帰りの飛行機で考えたのでした。

 

1)「森田正馬生家保存を願う会」ホームページ
http://www.morita-shoma.com/

2) 生活の発見 2019年号外 森田正馬没後80年記念事業の記録 p.97
あるいは、以下のリンク先でも読むことができます。
香南市議会だよりNo.49  p.19
https://www.city.kochi-konan.lg.jp/download/?t=LD&id=6072&fid=39891 

3)中山和彦:高知、冨家村兎田から熊本への道のり.藤瀬昇、比嘉千賀、岡本重慶共編:森田療法と熊本五高―森田正馬の足跡とその後―.14-20,熊日出版,熊本,2018.

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