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どくとるあるぱかのブログ

65. 串カツソースと「物の性を尽くす」(2019.08.09更新)

 先日私は大阪を訪れました。大阪は「食い倒れの街」。魅力的なグルメのお店がたくさんあります。せっかく大阪を訪れたからには、お好み焼きか串カツは食べたいところ。今回は、串カツの有名店「だるま」さんに立ち寄りました。

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 ちょうど昼食タイムということもあり、座席は満席。並んで待つことにしました。幸いにも、10分程度の待ち時間で座席に案内されました。

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 テーブルの上には、深いステンレスの容器に入れられたソースが置いてあります。これこそが有名な「二度づけ禁止!」のソースです。これはお客さんが共用するため、衛生面の理由から二度づけは厳禁なのです。

 いっそのこと皿の上に串カツを置いて、上からソースをかける方法があるではないか、と思われるかもしれません。しかしこの方法では、皿の上にソースが残ってしまい、もったいない。経済的な理由から共用のソースにしたのだ、とテレビ番組1)で観たことがあります。

 これは、森田正馬先生の「物の性(しょう)を尽くす」ではないか!?と、つい思いだしてしまいました。森田先生のお言葉です2)

 

 なお「物の性を尽くす」ということは、たとえば僕の家では、水を使うにも、洗面の水をそのままこぼさないで、バケツに取り、これを雑巾がけに使い、さらにそれを植木や撒水(さっすい)に使うというふうである。僕などは、平常こんな心持ちが習慣になっているから、大震災のようなときにも、容易に困るようにはならない。水道を出しっ放しにするような人とは、まったく人種が違うのである。放蕩者の金遣いを、「湯水のように使う」というが、僕などは湯水でも、決してむだには使わぬ。この「物をむだにせぬ」ということは、同時に自分の頭の働きも、力もベストに使うことで、すなわち「己の性を尽くす」ということにもなる。

 

 このように「物の性を尽くす」とは、物を粗末にせず、そのものの価値を最大限に発揮させる、ということです3)。大阪の串カツも、ソースを共用にすることで、一滴でもむだにしたくない!というお店の思いが伝わってきます。しかも、深い容器のソースの中にどっぷりとつけるからこそ、より美味しく串カツをいただけるのです。このソースは開発を重ね作り上げたもので、レシピはシークレットとのこと。

 さらには、「ソースの二度付け禁止」というアピールが観光客に対する宣伝効果となり、売り上げがアップしたとか。これこそが「物の性を尽くす」経営戦略なんだなあ、と感じながら美味しく串カツをいただいたのでした。

 

【引用文献】

1) TBSテレビ がっちりマンデー!! 2015年9月20日放送 https://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/2015/0920.html

2) 生活の発見会編:現代に生きる森田正馬のことばI.白揚社、東京、1998.

3) 南條幸弘:神経質礼賛 精神科医からの応援歌. 白揚社、東京、2011.

 

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