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19. リカバリー全国フォーラム2018

[2018.09.19]

 9月16~17日、帝京平成大学 池袋キャンパスで「リカバリー全国フォーラム2018」が開催されました。主催は、認定NPO法人 地域精神保健福祉機構(コンボ)。2008年から年1回のペースで開かれており、今回は記念すべき10回目。幸いなことに今回の開催日が2日間とも休日ということもあり、私も数年ぶりに参加いたしました。

 約1000人入れるというメインホールはほぼ満席。大盛況でした。精神障がいをもつ当事者やそのご家族の参加が多かった印象です。一方医師の参加は10人程度だったそうで、もっと医師の参加者が増えてほしいとの主催者のお話でした。

 今回のフォーラムのテーマは「リカバリーを実現するサービスを求めて~ピアサポートの役割と可能性」で、「ピアサポート」についての話題提供が多くありました。「ピアサポート」とは、精神障がいの当事者が同じ障がいをもつ方々に対し援助を行なうことやその人のこと。近年では精神保健福祉士の資格を持つ当事者も増えています(先日私が訪れた北海道浦河町の「べてる」でもピアによる活動がさかんです)。とある米国の研究によると、ピアスタッフ(雇用契約に基づきピアサポートを行なう職種)の導入により、入院日数の56%減、非自発的入院32%減などの効果があったとのことです(1日目基調講演 聖学院大学 相川章子先生のスライドより抜粋)。

 1日目、2日目の午後には分科会がありました。10個の会から一つを選択して参加するものです。どの分科会も魅力的でありどの会に参加するか迷いましたが、私は、1日目は「家族にも役立つ訪問支援~メリデン、オープンダイアログ、ACT~」、2日目は「アンチスティグマとリカバリー~どうしてこういつまでも変わらないのか?精神科医療の中から変えていこう~」に参加しました。1日目の分科会では、訪問支援事業を積極的に行なっている医療機関や団体が、当事者家族への支援について発表されました。発表された3団体のアプローチ法はそれぞれ異なりますが、いずれも画期的な取り組みだと感じました。2日目のアンチスティグマの分科会では、殊に児童精神科医の夏苅郁子先生(やきつべの径診療所)のご講演がとてもインパクトの大きいものでした。内容は盛りだくさんでこちらのページではとても書ききれませんが・・・日本の精神科医療は医師を頂点にした階層社会となるきらいがあり、それを見直すべきでは、そして医師よりも当事者の生活状況を熟知している看護職やソーシャルワーカーにある程度権限を移譲させるべきではないか、というお話がとても印象深いものでした。

 とにかく、このフォーラムの参加者の皆さんは本当に元気がいい。1日目の「トークライブ」では当事者の方々が次々にステージに上がられ、2分間のスピーチをされていました。(あまりにもスピーチの希望者が多く、時間の都合上、途中から1人1分にされてしまいました・・・ちなみに引っ込み思案な私は、ステージには上がらず皆さんのスピーチを見ているだけでした。スミマセン・・・)。そこでは、皆さんが思い思いのスピーチをされており、中には自慢の歌を披露する方もいらっしゃいました。皆さんからパワーを頂くことができました。

 プログラムがとても充実しており、非常に収穫の多い2日間でした。企画、運営に携わったスタッフの皆さん、ありがとうございました。

 

【おまけ】
 

会場の帝京平成大学 池袋キャンパス

 

参加記念で買った、トートバッグ。デザインを担当されたのは、小林エリコさん。「この地獄を生きるのだ」の著者で、NHK Eテレにも出演された方です。

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