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40. 心の健康セミナーin広島 前篇

[2019.02.15]

 先日、「心の健康セミナーin広島」に出席いたしました。
 タイトルは「ガン・身体疾患への森田療法の応用」
 講師は、岡山県倉敷市のすばるクリニック院長、伊丹仁朗先生です。伊丹先生は、がん治療に森田療法を応用した「生きがい療法」を開発され(第36話参照)、日本のがん治療の名医100人にも選出されています。

 伊丹先生のご講演の前に、皿海英幸さんによる体験発表がありました。通常なら予後が著しく悪いとされる「腹膜播種したスキルス胃がん」を克服された方です。抗がん剤、手術の治療を受けられた上に、「生きがい療法」の知識を活用されたとのことです。主治医から「5年生存率は10%余りで、元気になった前例は殆どない」と説明されたのに対し、「なら私が前例になるような生き方をしたい」と決意。結果、治療経過は極めて順調で、「胃がんによる再発転移の心配はない」状態にまで回復、そして元来の趣味であるマラソンの大会に出場し、見事完走されたという感動的なお話を伺うことができました。皿海さんのお話で特に印象的だったのは、危機的状況におちいったときの対処法です。胃、胆のう、すい臓の全摘手術の直後に腸閉塞を起こし、これまで経験したことのない嘔気、腹痛などの症状に襲われてしまうという出来事が語られました。いっそのこと病室から飛び降りたいという気持ちもよぎったそうですが、家族のために生きなくてはと思い直したそうです。それからは、「限界を感じても、昼から今まで耐えられたのだから、もう1時間なら辛抱できる」「好きな深夜放送の時間までは辛抱できる」・・・と達成可能な目標を小刻みに設定し、それをクリアしていく。このようにして死の恐怖を乗り越えたとのことです。このお話を伺い、私は森田正馬先生の筑波山登山のエピソードを思い出しました(第8話参照)。

 休憩後はいよいよ伊丹先生のご講演。詳細は次回に譲ります。

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