メニュー

70. 「12の悪い癖」と「両面観」 前篇

[2019.09.13]

 私が学生時代によく観ていたアニメ作品に「夢のクレヨン王国」がありました。現在の「プリキュアシリーズ」と全く同じ時間帯に放映されていたもので、もともとは小さな女の子向けの作品ですが、大人が観てもかなり楽しめる内容でした。なんといっても、主人公を演じる声優・徳光由禾さん(当時・徳光由香さん)の魅力的な声にかなりハマったものです。

 この物語は、主人公のシルバー王女が12歳の誕生日に起きた事件から始まります。かつて封印された死神がよみがえり、シルバーの両親のゴールデン国王とオパール王妃を石にしてしまったのです。シルバーはお供のアラエッサとストンストンとともに、死神打倒の旅に出ます。

 なんとシルバーには、12個の悪い癖がありました。次の通りです。

 おしゃれに3時間かける、散らかし癖、お寝坊、ウソつき、げらげら笑いのすぐ後に怒り出す、自慢癖、欲しがり癖、激しい偏食、意地っ張り、けちんぼ、都合が悪くなるとすぐに人のせいにする、疑い癖1)

 旅先でシルバーは、しばしばこれらの悪い癖を出してしまい、周囲の者を困らせてしまいます。死神を倒す条件として、「12の悪い癖を直すこと」があったものの、シルバーはこれらをなかなか直そうとしませんでした。

 そんな中シルバーは、あこがれの存在である武烈(ぶれつ)女王と対話します。武烈女王は、かつて死神を封印したという伝説的な人物であり、国民の間では「何においても完ぺきな存在」として知られていたのです。そこで武烈女王は、自ら20を超える悪い癖を持っていたことを告白します。シルバーたちはびっくりです。そのうえ、「私はあなた(シルバー)と違って、自分の悪い癖を素直に認めていたわ。」「大事なのは、自分の悪い癖を素直に認め、欠点を長所をかえることよ。」と語りました。
 そして、「けちんぼ」は倹約家になる素質があるということ、「おしゃれ3時間」は行き過ぎだけどおしゃれに気を遣うことは大切なこと、「疑い癖」も慎重に物事にあたる長所に変えられることを教えました2)

 これは、森田療法のワード「両面観」に相当するものです。それについては次回に譲ります。

 

【引用文献など】

1) 「夢のクレヨン王国」-Wikipedia  https://ja.wikipedia.org/wiki/夢のクレヨン王国

2) 「夢のクレヨン王国」第47話「8月の旅II」

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME