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293. 関ヶ原の戦い

[2023.11.17]

 先日、大河ドラマ「どうする家康」で「関ヶ原の戦い」が放映されました。
 関ヶ原の戦いは、大河ドラマの戦国ものを扱う作品ではおなじみであり、過去の作品でも様々な関ヶ原の戦いを観ておりました。今回の「どうする家康」ではどのような描写になるか、楽しみにしておりました。
 当日私は久々に自宅でのんびりしていたこともあり、昼0時15分に始まる、BS4Kの放送を観ることができました。今作では、ただ単に戦争の様子だけでなく、様々な武将に調略を行なう「頭脳戦」のシーンや、茶々(淀殿)や豊臣秀頼のいる大坂城の様子や阿茶局(家康の側室)の策略など、舞台の裏側についても詳しく描かれており、とても見ごたえがありました。余談ですが、北川景子さん演じる茶々が激高するシーンはかなり迫力がありました。
 今回の「どうする家康」では、これまでの通説とは異なる、新たな説に基づいたストーリーも盛り込まれていました。特に、東軍(徳川側)の勝利の契機となった、小早川秀秋の裏切りのシーンは、過去の作品とはかなり異なりました。当初西軍についていた小早川秀秋は、家康と内通していたのにかかわらず、なかなか動かなかったため、家康の軍は催促のために小早川の軍に鉄砲を撃ちました(「問鉄砲(といでっぽう)」という有名のシーンです)。それに対し秀秋は、「家康が怒っている!」とビクビクしてしまい、西軍を裏切って、西軍の大谷吉継の部隊に攻撃をしかけます。ここまでは通説とされているもので、過去の大河ドラマの作品では、このようなシーンがおなじみのように出てきます。そして、これまでのドラマでは小早川秀秋は臆病で優柔不断な人物として登場することが多かったように思えます。しかし、「問鉄砲」自体がフィクションとする説も最近では出てきており、「どうする家康」ではこの説を採用したためか、「問鉄砲」のシーンは一切出てきませんでした。さらに今作の秀秋は、これまでのドラマとは異なり、おどおどするところを一切見せず、堂々としていました。秀秋が「西軍につくが、(西軍と東軍の)どちらでも転べるようにしておけ!」と家臣に命じるシーンがあり、また戦い当日も「東軍と西軍のどちらが有利か見定めてから行動に移す」構えでした。戦争の途中で、家康の戦術を見て「さすが戦巧者よ」と思った秀秋は家康側につくことを決め、西軍に攻撃をしかけるというストーリーになっていました。
 また、大坂城にいた豊臣秀頼が出陣しなかったのは、そもそもこの関ヶ原の戦いは豊臣家臣同士の戦であり、秀頼が戦いに出る名目がなかったから、という説が最近では有力とされています。しかしこのドラマでは、茶々が秀頼を出陣させる意欲が十分あったのにかかわらず、西軍総大将の毛利輝元の失態で出陣できなかったというストーリーになっており、面白い解釈だと思いました。
 関ヶ原の戦いという歴史上の大きな出来事も、ドラマによってストーリーや解釈が異なることを再確認し、改めて歴史の面白さを感じたのでした。
 なお、番組の終わりのミニコーナーでは、岐阜関ケ原古戦場記念館が案内されました。歴史の勉強のためにぜひとも訪れてみたいものです。

 

 

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