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290. サンライズエクスプレス

[2023.10.27]

 先日の岡山への学会出張(289話)で、東京から岡山まで寝台特急サンライズエクスプレス(以下「サンライズ」)に乗車いたしました。
 この列車の切符の入手に大変手こずりました。サンライズは大変人気がある列車で、切符が取りにくいからです。もっとも切符を入手しやすいといわれているのは、切符の発売時刻(乗車日の1か月前の午前10時)の直前に駅の窓口に行き、発売開始とともに端末を操作してもらう方法(「10時打ち」と呼ばれる方法)です。しかし、発売日の10時は診療の真っ最中であり、「10時打ち」は断念しました。この日のお昼過ぎに那須塩原駅の窓口へ行き、駅員さんにサンライズに空きがあるか調べてもらうことにしました。その結果、「満席です」と言われてしまいました。「やはり満席だったか・・・」とがっくりして、駅をあとにしました。ただ、満席で切符が入手できなかった場合も、キャンセル待ちで入手する方法があります。しかしその場合は駅の窓口へ頻回に行かなければならず、かなりの労力となります。もっと良い方法はないだろうかとネットで調べてみたところ、JR西日本のネット予約「e5489(いいごよやく)」を使う方法を見つけました。これなら駅へ通う手間は省けます。さっそく会員登録をして、サンライズを検索したところ、案の定、満席の「×」マーク。以後時間があるたびにこのサイトにアクセスし、キャンセルが出ないか確認することにしました。しかし見るたびごとに「×」マークで、正直「もうダメかな」と思いました。しかし、ある日の早朝、「e5489」をチェックしたところ、なんと「△」マーク(残りわずか)になっているのを発見しました。たまたまキャンセルが発生したのでしょう。すぐさま予約手続きをして、無事購入完了しました。切符の受け取りは、那須塩原駅ではできないようであり、東京都区内の駅まで行く必要があるとのこと。たまたま東京へ出張する機会がありましたので、その際に東京駅に立ち寄り、券売機でサンライズの切符を受け取りました。

 そして乗車日当日。この日は通常通り夕方まで診療をし、それからいったん帰宅の上出かける準備をして、那須塩原駅から東京駅まで新幹線で移動しました。東京駅の9番線ホームへ。待機していたら、サンライズが入線しました。



この列車は2階建て14両編成で、四国の高松・琴平行きの「サンライズ瀬戸」と出雲市行きの「サンライズ出雲」が併結されており、岡山で2つが切り離されます。私は岡山までの乗車なので、「瀬戸」と「出雲」のどちらでもいいのですが、今回購入した切符は「出雲」のほうでした。列車の扉が開くとすぐに切符に指定された1階の個室へ。私が今回利用するのは、B個室寝台「シングル」。サンライズでは最もポピュラーな設備です。


個室には、毛布や枕、寝間着が用意されており、コンセントもついていました。もちろん個室のドアにはカギがかかりますし、外に出る際は暗証番号でドアのロックができるので、セキュリティの面では安心です。


通路を撮影。サンライズは殆どが個室寝台。

 常磐線の列車が遅れた関係で、約5分遅れで東京駅を発車。放送では停車駅の案内や、車内設備の案内がありました。車内にはシャワー室が設置されており、使用するためには車内の自販機でシャワーカードを購入する必要があるとの放送もありました。しかし事前情報で、カードはすぐに売り切れになることや、カードを購入できたとしてもシャワー室自体が混雑してなかなか使えないということを知っていたため、私は利用しませんでした(自宅で予めシャワーを浴びてきました)。品川駅を通過するあたりで車掌さんによる検札がありました。あとは、翌朝の岡山着が6時台と早いこともあり、寝ることにしました。久々の寝台列車であり、なかなか眠れなかったのですが、熱海駅を発車したあたりからはさすがに爆睡していました。途中で目が覚めて、窓を眺めたところ、真夜中の京都駅をゆっくり通過するのを見ることができました。夜行列車で目が覚めたときに真夜中の駅のホームを眺めるのが私のひそかな楽しみでもあります。朝5時台、姫路駅に到着するあたりで起きることにして、車窓の風景を眺めながら、読書をして過ごしました。


個室内を撮影。

6時台に「おはようございます、およそ10分で岡山に到着です」という車内放送がありました。もっと個室でくつろぎたいという気持ちもありましたが、もう降りなければなりません。定刻の6:27、サンライズは岡山駅に到着しました。

 岡山に早朝に到着できたおかげで、この日の最初から学会のプログラムに参加することができました。

 寝台列車や夜行列車は、20年くらい前は、九州方面、北陸方面、東北・北海道方面など数多く運転していましたが、徐々に数を減らし、現在定期で運行されている寝台列車はサンライズのみとなってしまいました。サンライズの車両は約25年前に製造されたもので、老朽化が指摘されており、更には採算性などの問題もあり、将来的にはサンライズが廃止されてしまうのではないかという声もあります。しかし、ベッドに横になって移動できるうえ、早朝に現地到着できる寝台列車の存在は貴重なものであり、ぜひとも末永く運行を続けてもらいたいと願っています。

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