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296. 第40回日本森田療法学会

[2023.12.08]

 先日、東京・西新橋の慈恵医大で開催された「第40回日本森田療法学会」に参加いたしました。ここ3年は、新型コロナの影響により現地で集合しての開催ができず、WEBでの開催でした。今回は新型コロナの位置づけが5類に変更になったこともあり、2019年の浜松市での開催(74話)以来、4年ぶりの現地開催となりました。学会でお世話になっている先生方など、4年ぶりに再会いたしました。また私が月1回ZOOMで参加している森田療法の勉強会のメンバーにもお会いすることができました(ZOOMでは何度も顔を合わせているものの、リアルな場では初対面いう方もいらっしゃいました)。
 今回の大会長は慈恵医大精神医学講座主任教授の繁田雅弘先生(18話)で、先生のご専門が老年精神医学であることもあり、大会テーマは「揺らぐ超高齢社会 森田療法の新たな段階へ」でした。繁田先生の会長講演では、認知症患者さんの自尊心や自己肯定感に配慮した診療の工夫について、大変分かりやすいお話を伺うことができました。シンポジウムや一般演題では、演者の発表に対してフロアの先生が質問したり意見を述べたりするなど活発な討論が行われました。WEBでの開催では、演者から参加者への一方通行な感じになってしまい、味気ない印象でしたので、やはり学会は現地開催に限ると思いました。また、懇親会も通常通り行われました。だいぶコロナ禍前の生活に戻りつつあるなと実感しました。
 一般演題では、医師、臨床心理士、カウンセラー、教育関係者そして神経症の当事者など様々な方面で活躍されている先生方が発表されました。ご発表を拝聴し、それぞれの先生方がいかに「森田」を用いられているかを知ることができ、今後の診療に大いに参考になりました。
 私も一般演題で発表いたしました。いつも通り、本番でフリーズしないように予め読み原稿を用意し、事前に何度も発表の練習をしておりました。通常、発表する際は、左手で読み原稿を持ち、右手でスライドの操作をすることが多いのですけれども、今回の会場ではマイクスタンドがなく、片手でマイクを持たなければならない方式でした。このため、やむなく、左手でマイクを持ち、読み原稿はテーブルに置くことにしました。発表中、ちょっとしたハプニングが発生しました。テーブルの上に置いていた読み原稿をめくる際に、原稿を床に落としてしまったのです。一度は原稿を拾ってテーブルに置いたものの、再び落としてしまいました。テーブル上にはキーボードやマウスなどが置かれており、原稿を置くスペースがほとんどなく、やむなくキーボードの上に原稿を置いたのが原因でした。これではまた拾ったとしても再び落としてしまうリスクが高いと判断し、読み原稿を床に落としたまま放置し、原稿なしで発表を続けることにしました。これまで練習を重ねてきたことも幸いし、途中でフリーズすることなく何とか発表を終えました。発表終了後、「大変勉強になりました」「スライドがとても見やすかったです」などお褒めのお言葉をたくさん頂戴いたしました。誠にありがとうございました。
 来年の日本森田療法学会は高知市で開催されます。高知と言えば、森田療法の創始者・森田正馬先生の生誕の地です。次回の高知の学会にもぜひとも参加したいと思っております(そのついでに高知名産のかつおのたたきを食べたいです)。

 

 

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