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どくとるあるぱかのブログ

169. 気圧変化と体調不良(2021.07.30更新)

 最近、群馬テレビ制作のバラエティ番組「JOYのASOBU TV JOYnt!」にハマっており、毎週楽しく視聴しています。これは、タレントのJOYさんがMC(司会)を務める番組で、とちぎテレビでも日曜日夕方に放送されています。この前、JOYさんが千葉を訪れる回で、まさかのハプニングが発生しました。千葉ポートタワーでのロケで、JOYさんは「気圧がダメで、高いところへ行くと耳が痛くなり、1日頭痛が止まらなくなる」と、展望台へ上がるのを拒否してしまいました(注)。このため、同行した千葉テレビアナウンサー・泉水はる佳さんと群馬テレビのスタッフだけで展望台に上がり、JOYさんは1階に待機、という異例の展開になりました。
 JOYさんのように、気圧の変動で体調を崩す方はとても多く、当院に来院される患者さんの中にこのような症状でお困りの方もいらっしゃいます。典型的なのは、低気圧(台風)が接近する時や急激に天候が崩れる際に症状が出現するケースです。症状は、頭痛、倦怠感、めまいなどのほか、抑うつ症状が強くなったりパニック発作が起きやすくなったりするなど多彩です。低気圧が日本列島を次々通過する「春先」やぐずついた天候が続く「梅雨時期」などにこのような症状を訴えられる方が多い印象にあります。また、新幹線や飛行機など気圧が急激に変動する乗り物でも同様な症状を呈するケースもあり、先述のJOYさんのように高い場所へ急激に移動すると症状が出てつらいという方もいらっしゃるようです。
 「天気痛ドクター」の佐藤純先生1)によると、このような症状は、「内耳」の敏感さが要因とされています。「内耳」には気圧センサーがあります。その部位が敏感な傾向にある人の場合、他の人が感じない微細な気圧変化を感じ、それを脳に伝達してしまい、交感神経が興奮し、それゆえ様々な体調不良が引き起こされるという説があります。
 気圧変動による体調不良(特に頭痛)に対し、当院ではよく「五苓散」という漢方を処方しています。内耳の循環を良くしてむくみをとる作用があります1)。それで症状が改善するケースも経験しています。頭痛など痛みがひどいと、つい消炎鎮痛剤を使いたくなります。どうしても痛くてつらい場合はその服用もやむを得ないと考えます。しかしあまりにも頻繁に使用するのはお勧めできません。鎮痛剤の連用により、かえって頭痛が悪化するケースがあります(これを「薬剤乱用頭痛」といいます)。
 その他、「頭痛―る」というスマホアプリもお勧めしています。これは、気圧変動のグラフが見られるもので、急激な気圧低下が予想される時には警告表示もしてくれるものです。
 この分野について私はまだまだ勉強中です。これからも研鑽を積んでいきたい所存です。

(注)千葉ポートタワーの展望台は地上113m。10mのぼるごとに1ヘクトパスカル下がるとされていることから、タワーの1階から展望台へエレベータで上がると、約11ヘクトパスカルも低いところへ短時間で移動することになります。

【文献】
1) 佐藤純:天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法.光文社,東京,2017.

 

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