132. Go Toか、NOT Go Toか
最近、何人かの患者さんから次のようなご相談を頂いたことがあります。「このコロナ禍で、東京へ行っていいかどうか?」
私はネガティブ思考で心配性。「大丈夫ですよ、東京へ行っても問題ありません」なんてとても言えません。東京では現在100人を超える新型コロナの新規感染者が毎日のように報告されています(昨日11月12日は393人感染確認との報道がありました)し、しかも栃木県内の感染者の行動歴に「都内を訪問した」という記述をよく見ますから。よって、次のようなことをお話しています。「コロナが怖いのであれば、できる限り東京へ行くことは避けた方が良いでしょう。ZOOMなどで代用できる場合はそれを利用して。ただ、どうしても東京へ行かなければならない用事がある場合は、最大限に感染対策を行なってください。マスクを着用するのはもちろんのこと(マスクの予備も持参を)、ポータブルのアルコール消毒を持参し、人混みは避けること」(これはあくまでも私見です)。
かくいう私も、新型コロナが感染拡大してから、東京への移動を回避するようになりました。これまでは少なくとも月1回は東京を訪れていましたけれども、3月以降は一度も行っていません。東京での大型書店巡りという楽しみも現在自粛中です。書籍を購入する際は通販サイトに頼っています。新宿駅近くの会場で開催される森田療法のセミナーも、残念ながら欠席させていただきました(ただし今月からはオンラインでの開催に切り替わる予定)。
私の趣味である鉄道旅行、ドライブ旅行も現在取りやめています。大好きな新幹線や特急列車にも半年以上乗っていません。世間ではGo To トラベルキャンペーンが行なわれていますけれども、感染リスクを懸念して利用を躊躇してしまいます。
それだけではありません。混雑するお店にも行けなくなりました。先日ラーメンが食べたくなり、ラーメン屋に入りました。しかし店内が混雑しているのを見て、怖くなりそのまま店外へ逃げてしまいました。宇都宮市や水戸市のショッピングモールで買い物をする際は、混雑が予想される休日は避け、平日にしています。その他、公の場でマスクをせずに大声で談笑する輩を見ると、非常に恐怖感を覚えます。
どうして東京や旅行、混雑したお店を回避してしまうのか。万一新型コロナに感染してしまったら、という恐れからです。特に開業医の私は新型コロナへの恐怖を強く感じざるを得ません。万一感染した場合、診療がストップし、患者さんや従業員をはじめ様々な方々に多大なるご迷惑をおかけしてしまいますから。
我々は「生の欲望」(33話)があるからこそ、新型コロナに対して不安や恐怖を抱くものです。森田療法ではこれらの感情は自然なものとみなし、それに付き合いつつ必要な行動をするよう推奨します。ただこの場合「必要となる行動」とは、感染リスクを減らすための対策ではないかと考えます。新型コロナのワクチンや治療薬が開発されない限り、今我々ができる感染対策は、こまめに手洗いをすること、マスクを着用すること、そして混雑した場所から回避することしかありません。これからの季節、更なる感染拡大が心配です。もうすでに第3波が到来したのではという話もあります。
これからも私は心配性を最大限に生かし、感染予防対策を続けていきたいと考えております。