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332. 新紙幣登場

[2024.08.09]

 先月、新紙幣の発行が始まりました。とある日に用事があって銀行へ行ってみると、新紙幣両替の案内が掲示してあり、新紙幣はどこで両替できるのかと銀行員に問い合わせるお客さんの姿も見かけました。一方私は、すぐさま新紙幣への両替をしなくても、いつかはこの紙幣が流通し、私の元にまわってくるだろうと考え、両替はしませんでした。しかし先日、ATMで手続きをした際に、新紙幣をゲットすることができました。つい嬉しくなりました。新紙幣には偽造対策として、3Dホログラムがついています。紙幣を動かすと、人物が左右に動き出すところに感動し、動画撮影をしてしまいました。

 これまで野口英世先生だった1000円札は、新紙幣では北里柴三郎先生にかわりました。2回連続で医師が1000円札の肖像として採用されました。野口英世先生は、ここ栃木県のお隣、福島県の出身で、黄熱病や梅毒などの研究に尽力されました。また、幼少期の頃にいろりに落ちて左手に大やけどを負い、のちに手術を受けたことがきっかけで医師を目指されたというお話は有名で、私も小学生の頃、伝記で読んだことがあります。北里柴三郎先生は、「近代日本医学の父」とされ、破傷風菌の純粋培養、血清療法の発見などの多くの業績を残され、私も所属する「日本医師会」の初代会長も務められました。

 紙幣は、これまでおよそ20年ごとに変更されてきました。次の新紙幣発行は、今から約20年後、2044年ごろになるでしょう。その時に発行される新1000円札には、医師つながりということで、精神科医の森田正馬先生が描かれたらいいなとひそかに期待しています。森田先生は、わが国独自の精神療法である森田療法を創始されました。その森田療法は、フロイトの精神分析と肩を並べる存在であり、近年では国内のみならず、世界にも普及しつつあります。当初は神経症に対する療法とされていましたが、近年では慢性うつ病、PTSD、慢性疼痛など他の疾患にも応用されており、また医療のみならず、教育の場など様々な分野にも広がりを見せています。更には、森田先生の生家(高知県香南市、10話52話)は、最近国の登録有形文化財として登録されました。今後ますます森田療法が注目されていくことも予想されます。このようなことから、約20年後の新1000円札の人物として、森田正馬先生を強く推したいと私は勝手に思っております。いかがでしょうか?

 

 

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