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371. ギャンブル依存症の講演

[2025.05.09]

 毎年5月14日~20日は、「ギャンブル等依存症問題啓発週間」です。この時期には、全国各地でギャンブル依存症(正式な医学用語は「ギャンブル行動症」)を啓発するためのイベントが開催されます。先日、宇都宮でその特別セミナーが開催され、そこで講演をさせていただきました。

 特別セミナーの開催日は5月4日で、会場は宇都宮市立南図書館。偶然にも同じ日に、以前から行きたいと思っていたイベント「とちてれ★アニメフェスタ!」(略称「とちアニ」)が宇都宮中心街のオリオン通りで開催されることを知り、南図書館に向かう前に、とちアニの会場を訪れました。会場には、同人誌や関連グッズなどの即売ブースが多数あったほか、メイン会場のオリオンスクエアでは様々なステージが開催されていました。コスプレイヤーさんの姿もたくさん見かけました。まずは私の推しのVチューバ―、栃宮るりはさん(297話など)のブースを訪れ、るりはさんグッズを購入しました。また、栃木県で活躍されている漫画家、一葵さやか先生(日光市在住)やこすげ先生(佐野市在住)のブースにも訪れることができました。

 オリオン通りの松屋で昼食をとったのち、南図書館へ。


先ほど「とちアニ」で購入した、栃宮るりはさんグッズとご一緒に・・・

会場には「全国ギャンブル依存症家族の会」や「ギャンブル依存症問題を考える会・当事者支援部」のメンバーの方々や、福祉関係の方々、そして国会議員や市議会議員の先生方もいらっしゃいました。参加された方は100人くらいだったとのこと。来賓の国会議員の先生によるあいさつの後、いよいよ私の講演の時間です。

 今回お話しした内容は、「ギャンブル依存症は脳の病気!」「ギャンブル依存症をめぐる最新事情」「家族に必要な対応」の3点。

 「ギャンブル依存症は脳の病気!」では、依存症は決して意志の弱さや倫理観の低さで生じるものではなく、脳の神経回路が変性するれっきとした病気であること、このような脳の状態は一度なると治らないこと、ひとりでの回復は非常に難しく、医療機関や自助グループなどにつながってほしいことを概説しました。


ギャンブル依存症の病態も概説しました。

 「ギャンブル依存症をめぐる最新事情」では最近社会問題となっている「オンラインカジノ」の危険性についてお話ししました。内容はブログ368話369話を要約したものです。オンラインカジノは依存症になりやすく、しかも高スピードで依存になる恐れがあること、借金の額が従来のギャンブル依存に比べ桁外れ(数千万~億にも)で、闇金から借りてしまったケースもあり、その返済が困難となり闇バイト等の犯罪に加担するケースも少なくないことを説明しました。

 そして「家族に必要な対応」では、家族もぜひとも自助グループにつながるなど仲間づくりをすることが回復には大切であることのほか、依存症当事者本人との境界をきちんとすることが肝要で、借金の肩代わりは本人の依存症を悪化させてしまうことも説明しました。加えて、4月に新たに誕生した家族の自助グループ「GAFA」についても情報提供しました。

★GAFA公式ページ→こちら


上記スライド内容の一部は、田中紀子著「改訂版家族のためのギャンブル問題完全対応マニュアル」(ASK)からの引用。

 締めくくりのスライドでは、「ダメ、ゼッタイ。」に代わる啓発ポスター・キャッチコピーコンテストで大賞を受賞した「誰でも、なる。誰でも、なおる。」を引用し、ギャンブル依存症は誰でもなりうること、医療機関や自助グループなどにつながることで誰でも回復可能であることや、ギャンブル問題で悩んでいる方々は一人で抱え込まず、医療機関、自助グループ、行政などに相談してほしいことをお伝えいたしました。

 

 私の講演のあとは、当事者の方と当事者家族の方による体験談を拝聴しました。お二方とも、自助グループや家族会につながって回復されたと伺い、仲間の大切さをあらためて実感しました。また、ギャンブル依存症の息子さんが回復施設に入所される際の、当事者支援部や回復施設スタッフの方々の連携が実に見事であり、とても感嘆いたしました。

 特別セミナー終了後、X(旧ツイッター)で講演について報告のポストしたところ、たくさんの「いいね」や暖かいお言葉を頂戴いたしました。

 運営にあたられた皆様に、厚く御礼申し上げます。

 

 

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