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147. 「ぴえん」のままになすべきことをなす

[2021.02.26]

 先日私の愛車が当て逃げされてしまいました。
 とある祝日の昼ごろ、大田原市の某スーパーマーケットに寄りました。当院スタッフルームのお茶菓子を購入するためです。スーパーの駐車場に車を駐車し、お店へ。買い物の時間はせいぜい10分です。車に戻ったところ、なんと愛車の左前のドアが凹んでいました。青い塗装も付着しています。青い車が私の車にぶつけて、そのまま逃走したものと確信しました。

早速110番通報しました。警察の方数人がやってきました。警察の方の話によると、私の車の隣に犯人の車が駐車し、犯人がドアを開けたところ、強風にあおられてしまい、そのドアが私の車に激突してしまったのだろう、とのこと。さらに、捜査をしてみるものの、犯人の特定は難しいだろう、とにかく事故証明は作成しておきます、とのお話でした。
 警察からの聞き取りはこれで終了。そのままボディが凹んだ車を運転することにしました。幸い自動車の性能には影響はありませんでした。しかしながら、私の愛車を変形させて、そのまま逃走した犯人に対し、強い憤りを覚えました。そのまま帰宅して、寝込んでしまおうかとも思いました。しかし、やるべき仕事があります。職場へ行き、当て逃げされた無念さ、怒りなどの感情を抱えながらも、たまっている仕事を処理しました。不快な感情があったとしても、意外にも仕事がはかどっていることに驚きました。森田療法の生活指導で良く用いられる「気分はそのままに、なすべきことをなす」がここで応用できました。
 車は問題なく運転できるものの、凹んだ部分が目立ち、とてもみっともない。販売店に行き修理について相談しました。損傷が激しいことからドアそのものを交換することになるだろう、修理代は10万円を超えるとのお話でした。車両保険は使えるものの、その場合には保険料が上がってしまいます。いずれにせよ、当て逃げで犯人が見つからない場合は、たとえこちらに全く非がなくても被害者が修理について負担しなければなりません。理不尽としか言いようがないですけれども、これはどうしようもありません。泣きそうになります。「ぴえん」(注)です。しかし、車のことだけでなく、私には日ごろの診療をはじめ、やらなくてはならない仕事がたくさんあります。「ぴえん」の感情を抱きつつも、目の前のことはやっていかなければなりません。「ぴえんのままに、なるべきことをなす」です。

 

(注)ぴえん:泣いているさまを表す擬態語。「ぴえーん」を省略したもので、SNSなどで「(涙)」の意味で使われる。悲しいときも嬉しいときも使用される。目を潤ませた絵文字とともに用いられることが多い。(Wikipediaを引用)
なお、当院診察室に「ぴえん」のクッションが置いてあります。

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