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71. 「12の悪い癖」と「両面観」 後篇

[2019.09.20]

 (前回の続きの記事です)

 「両面観」について、青木薫久先生のご著書1)から引用します。

 「両面観」は、現実の事実にもとづいて考えると、一見マイナスとみえる事柄のなかにも、かならずプラスの面があることを保証しているので、それを見出して、活用することです。すると、現実の事実ですから、かならずプラスの成果があがるのです。「両面観」は、かならず、あなたにプラスの面があるのだから、それを発見して生かしていきなさいといっているのです。

 すなわち、それぞれの性格には、短所と長所があるということです。

 アニメ「夢のクレヨン王国」の主人公・シルバー王女には「12の悪い癖」がありました。これらの癖は、短所の部分のみに視野狭窄され、「なくすべきもの」とされがちです。実際に、シルバーのお供の者たちは、必死になって彼女の「悪い癖」をやめさせようとしました。しかしながら、短所にしか見えないこれらの「『悪い』癖」も、見方を変えれば、長所の部分も潜んでいるのだ、ということです。

 前回ご紹介した、武烈女王の言葉「大事なのは、自分の悪い癖を素直に認め、欠点を長所をかえることよ。」は次のような意味が込められていると思います。

(1)自分の性格や癖をきちんと認め、受容すること。
(2)性格特徴や癖には短所と長所があることを知る(両面観)。
(3)これらの長所の面を活かし、実践すること。

 いかにも、森田療法らしいですね(余談ですが、この番組のエンディングテーマのタイトルは「ありのままに」です)。

  「夢のクレヨン王国」は、1997年9月から1999年1月までの1年5ヶ月間放送され、シルバーたちが仲間たちと新たな旅に出かけるところで完結しています。その後、シルバーは自らの「悪い癖」をプラスに活かして、きっと素敵な女性に成長しているだろうと、私は想像しております。

 

【引用文献】

1) 青木薫久:《新装版》なんでも気になる心配性をなおす本 よくわかる森田療法・森田理論.KKベストセラーズ, 東京,1999.

 

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