135. 行動や考えは変えられる
4週間に1回、当院にダスキンの社員さんが訪問されます。モップ、玄関マットの交換をされ、そのあとに「喜びのタネまき新聞」を渡してくださいます。
その新聞の1頁目には社長の山村輝治氏のエッセイが掲載されています。先日いただいた新聞No.628は「行動や考えは変えられる」というタイトルの記事でした。
ダスキン創業者の鈴木清一氏の命日に、社長の山村氏が墓参りに行かれたときのこと。鈴木氏の墓前で「環境を変えることは難しいが、自分の行動や考え方は変えることが出来る」ということが頭をよぎったそうです。ダスキンの創業がマイナスのスタートだった中、鈴木氏が「喜びのタネをまこう」の想いで事業を推進されたことを山村氏は思い出し、「(このコロナ禍での)不自由な環境に愚痴を述べても何も解決しないなら、自ら創意工夫して行動する方が前向きな人生を送れる」ことに気づかれたとのことでした。
森田療法らしい記事だなぁと感じました。
現在我々はコロナ禍の中、不自由な生活を強いられています。感染リスクの観点から、大人数での会食や歓談は望ましいものではありません。人混みの場所への外出も自粛すべきとされています。更には公の場ではマスク着用をと言われます(このご時世でマスクをしないでいると、周りからにらまれます)。このような不自由な生活でストレスがたまり、つい「コロナめ!(怒)」などと愚痴を言ってしまいそうになります。しかしながらこのようなことを言ったところで、気分が変わるわけではありません。森田療法は、気分や感情は仕方がないからそのままにして、とにかくプラスの行動をすることを教えています。まずは最大限に感染予防の対策を行ない、このコロナ禍で「できること」をとにかくやってみる、可能なら「創意工夫して行動する」ことで、自然に気持ちも後からついてくる、ということが言えるでしょう。
ちなみに、「知りたがりの神経質」の私は、ダスキン創業者の鈴木清一氏(1911-1980)についてウェブサイトで検索してみました。鈴木氏は、「他人に対しては喜びのタネまきをする」1)という理念を提唱され、清掃用具レンタル業の他、「ミスタードーナツ」の経営にも携われました。「喜びのタネをまこう」という鈴木氏の理念は、稲盛和夫氏の「利他」(86話)の考え方に通ずるものがあります。私も、鈴木清一氏に大いにあやかりたいと感じたのでした。
【引用文献】
1) ダスキンホームページ「経営理念」
https://www.duskin.co.jp/company/philosophy/