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116. 音声付きスライドデータの作成

[2020.07.31]

 精神医学、神経学において最も大きな学会に「日本精神神経学会」があります。もちろん私もその学会の会員であり、学会専門医の資格も所持しています。
 この学会では年に1回学術総会が開催されます。1万人を超える先生が参加される、きわめて大規模の総会であり、通常は政令指定都市の会場で開催されます。今年(第116回)(注)の開催地は仙台市。那須塩原市から新幹線で約1時間の距離で、日帰り参加も可能です。
 この学術総会にて私は森田療法に関する症例報告をすることにいたしました。
 本来ならこの総会は今年の6月に開催予定でした。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響で、9月下旬への延期が決定。ただその後も新型コロナが収束していないことから仙台市での開催は中止となりました。その代わりWEB配信で開催することが決まりました。運営事務局から「音声付きスライドのデータを7月26日までに送ってほしい」という内容のメールが届きました。通常、学会での発表は、会場でスライドを提示しながら壇上で口演する方式、ポスターの前で解説する方式が一般的です。しかし今回は、会場での発表ができなくなってしまったため、音声入りの発表スライドをWEB上で配信する方式が採用されることになりました。
 何はともあれ、パワーポイントで、スライドづくり開始です。私が毎年発表している日本森田療法学会(74話参照)とは異なり、日本精神神経学会では森田療法のことをあまりご存知でない方も多くいらっしゃると思います。このため、森田療法についての簡単な説明を付け加えることにしました。スライドづくりが一段落した後は、読むための原稿づくりです。私は発表時に緊張してフリーズする恐れがありますので、読み原稿づくりは欠かせません。
 発表の練習に移ります。発表に要した時間を測ったところ、10分近い時間になってしまいました。今回の発表の制限時間は8分。2分もオーバーしてしまいました。スライドの見直し作業をした結果、泣く泣く3枚のスライドをカットすることにしました。また、読み原稿の内容が多すぎる影響で、早口になってしまい、結果的に分かりにくい発表になってしまっているのではと懸念しました。読み原稿についても、余分な部分をカットしたり分かりやすい表現に見直したりとかなり修正して、ゆっくり読んでも8分に収まるよう何度も調整を重ねました。
 いよいよ録音です。当院の私の部屋(院長室)は、道路に接しており、車の走行音を拾ってしまう恐れがあります。隣の部屋(スタッフルーム)なら騒音は少ないだろうと思い、その部屋でレコーディングを行なうことにしました。もちろん、院内には誰もいない、休診日にこの作業を行ないました。録音を終えた後、何度か聴き直し、聞き取りにくい箇所、明らかなイントネーションの間違いについては録り直しをして、何とか納得のいく音声付き発表スライドが完成しました。発表時間は7分55秒。ちょうどよい時間に収めることができました。あとは動画ファイルに変換し、学会が指定するアップロードのサイトに提出しました。
 この発表スライドは、9月29日の発表当日に放映されるほか、約1か月間オンデマンドで配信されるとのことです(ただし視聴できるのは学会参加者のみに限定されます)。通常の学会では自らの発表の内容はその場にいらっしゃる先生方にしかお伝えすることができないのに対し、今回の学術総会ではオンデマンド配信もあるので、より多くの先生方に見ていただけることになります。この発表がきっかけで、お一人でも森田療法にご関心を持たれる先生が現れるといいなぁ・・・と秘かに期待しております。

(注)今回開催されるのは、「第116回 日本精神神経学会学術総会」です。ちなみに今回のブログは116話です。偶然の一致です!
学術総会ホームページ
https://www.c-linkage.co.jp/jspn116/

 

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