メニュー

82. 横着「タラちゃん」

[2019.12.06]

 前回「着手!」を執筆中、山田秀世先生(大通公園メンタルクリニック)のご著書「J-マインドフルネス入門」1)を思い出しました。その第2章に「着手のコツ」が載せられています。とてもインパクトのある内容ですので、ご紹介いたします。
 キーワードは「とっとと、ちょっと、ざあっと、とつとつと」

具体的には以下の通りです。

「とっとと」:どうすれば着手できるかわからないままに、とりあえず行動へ踏み出す。

「ちょっと」:ある課題の全体の一部分だけを3分間でも30秒間でもよいので「少しだけ」着手する。

「ざあっと」:不完全なままで多少のアラや穴はあるままでよいから、通しで一度仕上げてしまう。

「とつとつと」:しぶしぶ、いやいや、気乗りがしないままに着手する。

これらのスローガン「とっとと、ちょっと、ざあっと、とつとつと」を声に出して唱えましょう、とご著書には書かれています。

 

 一方、着手の反対は「横着」。「まあ後でやればいいや」とか「やる気が出たらやろう」など、なかなか着手せず先延ばしにしてしまう姿勢です。その構えについて山田先生は、国民的アニメのキャラクター「タラちゃん」を用い、わかりやすく解説されています。

 具体的には、「ちんタラ」「ぐうタラ」「タラタラ」「ほっタラかし」「時期が来タラやろう」「誰かにいわれタラ始めりゃいいや」1)「そのうち~になっタラ」2)などです。

 

 神経質傾向の人(私も含む)は、どうしても頭であれこれ考えすぎて、なかなか着手しない傾向にあります。その結果、やらなければならないことが積み重なっていき、気が付いたときには取り返しのつかないことがよくあります。日常生活で、横着「タラちゃん」が顔を出した際には、タラちゃんに血を吸われたり、毒素を注入される2)前に、「とっとと、ちょっと、ざあっと、とつとつと」着手することが大切といえるでしょう。

 

【引用文献】

1) 山田秀世:J-マインドフルネス入門 瞑想不問のシンプル・メソッド.星和書店,東京,2018.

2) 山田秀世:認知行動療法としての森田療法~「あるがまま」へと導いてくれる我が内なる“タラちゃん”~.日本森田療法学会雑誌 22; 31-37,2011.

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME