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76. トークイベント「強迫性障害について」

[2019.10.25]

 先日、「強迫性障害について」のトークイベント(於:大阪市)に伺いました。

76miyazaki

 出演者は、漫画家で強迫性障害の当事者である、みやざき明日香先生。みやざき先生はご自身の強迫性障害にまつわる体験を漫画に描かれ、2冊のコミックエッセイ(「強迫性障害です!」「強迫性障害治療日記」)を出されています。

また、強迫性障害についての啓蒙活動もされており、ネットニュースやテレビなどにも登場されたことがあります。

 会場内の50席くらいの座席はほぼ満席。お客さんは、強迫性障害の当事者の方が多かったようで(ちなみに私も強迫観念や強迫行為で苦しんだ当事者です(48話49話50話参照))、遠くは東北地方からいらっしゃったそうです。今回のテーマの関心の高さがうかがえます。

 まずは、みやざき先生ご自身の強迫性障害にまつわるエピソードのお話から。家の鍵を閉めたかどうか不安になり、スマホでドアの鍵の部分を写真に撮らないと安心できないという出来事。自分が汚れているのではという強い思いから、他の人を汚すのではと懸念し服の試着が怖くてできないという体験。4という数字が怖く、4のついた時刻にメールを送信できないという縁起恐怖などのお話をされました。また、自分の身体から大切なものが落ちてしまったのではと不安になり、道に落ちているごみを確認せずにいられない症状も出たそうです。落ちているタバコの吸い殻が、大切なデータが入った自分のUSBメモリだったら!という観念にとらわれることもあった由で、なんと、駅の階段でごみが気になり、振り向いたときに転んで骨折してしまったとか。
 日常生活に著しく支障をきたす状態にまで悪化してしまい、知人に連れられ精神科を受診することになりますが、上記の強迫症状から通院も苦痛で長続きしなかったとのことです。

 しかしながら、きちんと治療を受けたいと決心し、インターネットで検索したクリニックを受診。当初は薬物療法が主体でしたが、途中から「暴露反応妨害法」の治療にも取り組むことで、徐々に強迫行為は減っていったそうです。次第に回復していった経緯を拝聴し、とても感動いたしました(なお、先生は最近、ご自身のツイッターに「強迫性障害は、ほぼ寛解と言っていいかもしれません」と投稿されています)。

 そして、みやざき先生は「強迫性障害と戦う必要はない!戦うと苦しくなる!」と述べられました。そのメッセージがとても印象的でした。

 今回のトークイベントは、強迫性障害の当事者(私も含めて)に勇気や希望を与えてくれる内容でした。

 イベントの後、私はみやざき先生とお話しすることができました。先生のご著書2冊を拝読し、ぜひともお会いしたいと思っていただけに、たいへん感激いたしました。誠にありがとうございました。

 

★補足★

トークイベントの進行役を務められた鮎川ヒロアキさんが、今回のイベントについての記事を書かれています。写真も掲載されてありますので、どうぞご覧ください。

https://lineblog.me/ayukawahiroaki/archives/1985704.html

 

 

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