285. 札幌での講演
先日、「北海道森田療法研究会」にお招きいただき、「アルコール依存症と森田療法」についての講演をさせていただきました。
研究会の会場は、札幌市内の貸会議室で、30人くらいの方が集まっていました。更には、リモートで参加されている方もいるとのことで、私が想定していたよりもはるかに多い人数の方が参加されていることが分かり、驚きました。まずは、北海道の精神科病院にて院長をされている先生による、オープニングレクチャーから始まりました。アルコール依存症の歴史的背景、飲酒問題、自助グループ、治療についてなど、アルコール依存症の概論的なお話で、とても勉強になりました。続いて、東京の大学病院にて森田療法の診療を長年されている先生によるご講演。その先生は、依存症専門クリニックにも非常勤として勤務されているとのことで、アルコール依存症のケースに対し森田療法を応用した症例も提示されました。今後の診療にたいへん参考になる内容でした。
そしていよいよ私の講演です。持ち時間は約60分。メインテーマの「依存症に対する森田療法の応用」の話題だけでは、時間が余ってしまうと感じました。研究会の事務局の方からは、「森田療法について自由に語ってほしい」とも伺っていたことから、私の神経症の体験と森田療法との出会いについて、私がなぜ依存症に興味を持ったかについての話題を付け加えることにしました。それぞれについては、過去のブログ記事(48、49、50、141話)を引用し、それに大きく手を加えました。メインテーマの「依存症に対する森田療法の応用」については、常に携帯している「発想ノート」(68話)に思いついたことを書きこんでいき、それらの内容をベースにスライド作成しました(2年前のアルコール研修会(144話)で使用したスライドを引用した箇所もあります)。実をいうと、大勢の方の前での講演はコロナ禍以来初であり、あまりの緊張で最初は頭が真っ白になりそうになりました。しかし「気分のままに必要なことをする」という森田の考えのとおり、ビクビクハラハラで講演させていただきました。講演の後、「(私の)神経症の体験に共感できた」「楽しい講演だった」などとのご講評を頂戴し、たいへんありがたく感じました。
「北海道森田療法研究会」のメンバーの皆様はとてもエネルギッシュで、私もかなり元気を頂くことができました。誠にありがとうございました。