374. ペイハラ。
先日、当院が所属する郡市医師会(以下「医師会」と略記)の総会に出席いたしました。そこで、医師会におけるペイシャントハラスメント(以下「ペイハラ」)への取り組みについての報告がありました。その取り組みのきっかけとなったのは、某市議会議員がその娘の学校健診の結果をめぐり、学校医に対し暴言を吐いたという事件です。その市議から恫喝された医師は恐怖を覚え、学校医を辞任する事態となりました。それを受け、医師会は会員に向けペイハラに関するアンケート調査を実施し、ハラスメントに関する市民公開講座も開催しました。更には、ハラスメント防止ポスターが作成され、医師会会員の医療機関に配布されました。もちろん当院でもそのポスターを掲示しております。今年度も医師会はペイハラへの取り組みを継続するとのお話もありました。
医師会作成のハラスメント防止ポスター。
誠に遺憾なことに、先週、当院は某男性患者からペイハラ被害を受けました。院長である私は、その患者から執拗に不当な要求をされ、脅迫も受けました。彼の行為は明らかにペイハラであり、もはや彼との信頼関係は喪失したものと判断し、私は診療をお断りする旨の告知をしました。しかしそれからも、その患者は居座り続け、執拗に私に対して揚げ足をとる状況でした。彼の行為は極めて悪質で、ほかの患者さんの診療の妨げになるものと断定したことから、警察に通報いたしました。ペイハラにより警察に通報したのは開業以来2例目です。結局その患者は、警察官の説得により、退去しました。幸い周囲の患者さんや当院職員にはけがはありませんでした。職員は、その患者のペイハラを察知し、他の患者さんを屋外駐車場の自分の車に避難するよう誘導してくれました。大変感謝しております。しかし、一方的にペイハラ被害を受けた私は、心理的に強いダメージを受けました。
ペイハラは断じて許せません。当院は、「当院におけるペイシャントハラスメントに対する方針」に則り、ペイハラに対しては毅然とした態度で対応し、ペイハラにより患者治療者間の信頼関係が築けないと判断した場合は、診察をお断りいたします。特に悪質な行為と認めた場合はすぐさま警察に通報いたします。また、過去に何回か心無い患者らから「ネットに医院の悪い噂を書いて、評判を落としてやる」と言われたこともあります。これは明らかに脅迫です。我々はこのような言葉には決して屈しません。ネットでの誹謗中傷も立派なハラスメントです。当院や職員の名誉を傷つける内容の書き込みを発覚した場合は、弁護士に相談の上、法的措置等しかるべき対処をする所存です。